
アフターコロナが見えているなか、観光業の復興は北海道全体の課題です。特にニセコ町では、農業と観光関連業に従事する人口の比率が他地域より多く、観光入込客数及び観光客の購買行動分析をより精緻に実施する必要があります。ニセコ観光の玄関口であり、農産物直売所が人気の道の駅ニセコビュープラザでは精緻化の観点から、目視でのアナログな観光入込客数カウントを行っていましたが、デジタルでのカウント手法を試みることで、観光客の行動をデジタルで分析することに挑戦します。
「AWL Lite」をサイネージと組み合わせて設置することで、来客者数のカウントや性別・年代の分析だけでなく、サイネージの視聴有無や視聴時間をリアルタイムに計測できます。人数だけでなく、興味をもった来客者の属性と視聴時間までを計測でき、これらを活用し観光客の属性や興味・関心の可視化や、視聴状況に合わせた広告などへの活用もできます。
道の駅の主要利用目的となる「トイレ」の利用者に対して、AIカメラ+サイネージを用いて、特産品販売所及び野菜直売所への回遊を促すコンテンツをトイレの前に表示し、その施策による人流誘導の効果を測定。また、各設置コーナーにて静的なコンテンツと動的なコンテンツを期間ごとに出し分け、各コンテンツの視聴傾向を比較し、コンテンツ施策の効果測定を実施しました。
人流誘導については、“広告なし/広告あり”の期間で比較をしたところ、“広告あり”の期間において施設内対象エリア(野菜直売コーナー)への入込比率が増加。視聴行動の変化については、コンテンツのクリエイティブの差による比較をしたところ、動的なコンテンツの方がより多くの視聴者が視聴し続けたデータを集計することができました。さらに視聴データと売上データを組み合わせることで、広告掲載の収益効果についても増加しました。
今回は1ヵ月程度の短期間での効果測定だったため、さらに長期的にデータを集計することで、曜日毎やシーズン毎などの傾向値を把握し、より適切かつ効果的な広告掲載を模索する必要があります。他の施設でも同様な施策を行うことで、地産商品のPRや道の駅の活性化につなげたいと考えています。